若いころは素直に言えていた「おめでとう」。それが言えなくなり、不幸にばかり食いついてしまうのは悲しいことである。
小室さんについては、金銭面の問題や仕事がどうなるかについての懸念が報じられていた。
川名さんは、「眞子さまの将来を心配して『親心』で批判した人も多数いただろう」と推測しつつ、こうも指摘する。
「ぶれない二人に嫉妬し、あれこれと書き込んだ方も間違いなくいるでしょう。そうした心理状態の人にとっては、もし2人の結婚が破談になったら、それが“蜜の味”になるからです」
川名さんによると、一般的に、自分が幸福な人は他人も幸福であってほしいと思い、自分が不幸な人は他人も不幸であってほしいと願ってしまいがちなのだという。
■悪口は「満足感」なのか?
最近は著名人でなくとも、SNSなどで結婚したことを報告したり、結婚式の写真をアップしたりする人がいる。
この風潮について、川名さんは注意を促す。
「結婚を報告するのは、ごく自然な心理です。結婚を親類や友人たちだけに報告するなら、たとえそうした人の中に嫉妬する人がいたとしても言葉で表明することはありません。ですが、ネットなどで不特定多数の人々に自分たちの幸福を報告すると、必ず嫉妬したり、匿名であることを笠に着て、言いたい放題の発言をしてしまったりする人が多く現れます。人は自分が特定されない『匿名環境』では、かなり攻撃的な言葉を発しがちになるのです」
ただ、仮に攻撃した側が悪口で満足感を得たとしても、それは本当の意味での喜びにはつながらないという。
「幸せではない自分がいる。誰かの幸せを否定することで、なんとか自己正当化を図ろうとする。繰り返すうちに、その行為が止められなくなってしまうのです。人は『他人の幸せはしゃくの種、他人の不幸は蜜の味』という誘惑的な心理に陥りがちですが、その心理状態にはまってしまうと、結局は自分から人が離れていってしまいますよね」
人の幸せに嫉妬し、あらを探して言動や行動に移した結果、さらにその人の幸せ度が低くなるとしたら、なんとも皮肉なことである。
(AERAdot.編集部・國府田英之)