再度現場に集まった5人のうち、1人が見張りとして車内に残り、携帯電話で指示役から連絡を受けて、民家の窓から家の中に侵入。家の中にいた1人をカッターナイフで脅し、結束バンドで縛った。
だが、別の家人が大声を出したため、家にいた別の家族が日本刀を持って助けにいき、犯行グループは現金を奪うことをあきらめて逃走。逃げ遅れた被告の男が逮捕され、犯行の状況が見えてきた。
後で捕まった他の4人も、SNSの「闇バイト」で集められた。計5人は、それぞれ北海道、栃木県、愛知県、東京都とまったく違った土地の出身だ。
このパターンは、狛江市や関東圏などの事件と共通している点がいくつかある。
▽SNSで「闇バイト」として集め、知らないもの同士をグループ化
▽犯行前に現場の下見を繰り返す
▽現場では、1人が指示役と電話をつなぎながら実行グループに指示内容を伝え、相手に暴行を加えながらカネや金庫の場所を聞く
などがあげられる。
「現場の実行役は、SNSの応募で集まったまったくの素人。指示役がSNSと携帯電話でそれらを束ね、現場に誘導する。犯行時は現場と携帯電話をつなぎっぱなしにして、次から次へと指示を出していく」(捜査関係者)
SNSで「闇バイト」や「裏仕事」「裏バイト」などと検索すると、怪しい投稿がいくつも出てくる。
<高収入お仕事揃ってます> <高額報酬のバイト紹介できます> <月100万円以上>
なかには、緊急性があるのか、<1人のみ募集、急遽一枠空いた>といった内容もある。
数年前、振り込め詐欺の「受け子」をしたとして逮捕された男性のXさんによれば、
「自分が応募したのは日当10万円とか出ていた闇バイトでした。ツイッターで相手をフォローしてDM(ダイレクトメッセージ)を送信すると、『テレグラムはあるか』と聞かれました。その後はテレグラムで指示を受け、駅のコインロッカーやバス停などで箱などを受け取り、それを車で来た人に手渡すという仕事でした。3回くらいやって捕まりました。どういう人が関係していたのかはわかりません」