昨年11月には侍ジャパンの強化試合「侍ジャパンシリーズ2022」で日本代表に初招集され、4試合に出場。チャンスが与えられたが13打数2安打と結果を残すことができず、本大会のメンバー入りを逃すことにも繋がった。侍ジャパンの栗山英樹監督は「これから日本の野球を背負ってくれる人」の一人として佐藤を評価しているが、ここぞの時に期待できる打者にはなれていないというのが実情だ。

 今回の日本代表メンバー選外となった理由とも考えられる安定感のなさについては、今後飛躍するためにも気がかりではある。

「調子の波が大き過ぎて、良い時と悪い時は別人のようになる。各球団が徹底的に研究しているのもあるが、主力打者はその中で結果を残さないといけない。WBCは短期決戦だけに、波が大きい選手は怖くて招集できなかったのではないか」(在京球団編成担当)

 身体能力の高さ、スイングスピードの速さが生み出す飛距離などはずば抜けている。球界を代表する長距離打者になれる素質は持っているが、今ひとつ殻を破れないでいる。また、体力面が今後の成長のカギにもなるが、精神面での課題を指摘する声もある。

「岡田監督があえて厳しいことを言ったのは、少し浮ついた雰囲気を感じたのかもしれない。明るく物怖じしない性格はプロ向きだが、グラウンド上ではしゃぎ過ぎに見える時もある。かつての松井秀喜氏のような、不動心、メンタル面の安定感が出てくれば手がつけられない打者になれる」(阪神担当記者)

「打てない時にイライラする部分も見える。また、阪神は本塁打を打った選手にメダルをかけるが、一番ノリノリでやっている。ヘアバンドやユニフォームのボタンを開けるなど、着こなしも見苦しい時がある。時代の変化もあるだろうが、伝統球団の中心選手という気持ちを持って欲しい。精神的に安定した状態を保てれば、結果もついてくる」(阪神OB)

 秋季キャンプでは岡田監督の指導で打撃フォーム改造に着手し、技術面での向上には余念がない。そこに精神力が加わってくることで、初めてそのポテンシャルを生かせるのかもしれない。

暮らしとモノ班 for promotion
防災対策グッズを備えてますか?Amazon スマイルSALEでお得に準備(9/4(水)まで)
次のページ
3年目の覚醒はあるのか