CKDは、会社などの事業所で年に1回受けることが義務づけられている健康診断や、地方自治体が実施する特定健康診査(いわゆるメタボ健診)で早期発見が可能です。尿検査では腎臓から漏れているたんぱく質や血液が検出されていたら、CKDを含む腎臓病を疑われます。血液検査からは血液中の老廃物の指標となる「クレアチニン値」の量と、それをもとに算出する腎臓の濾過機能を示す指標「eGFR(推算糸球体濾過量)」をチェックします。
eGFRはステージ1、2、3a、3b、4、5の6段階に分かれていて、90ミリリットル/分/1.73平方メートル以上が正常(ステージ1)。89~60ミリリットル(ステージ2)は軽度低下で、60ミリリットル未満になるとCKDの治療が必要となります。
■症状や治療はステージに応じて変わってくる
GFR が45~59ミリリットル(ステージ3a)は軽度から中等度低下で、食事療法や薬物治療が中心です。30~44ミリリットル(ステージ3b)は中等度から高度低下となり、専門医のもとで治療を受けることがすすめられています。この段階になると、むくみなどの自覚症状を訴える人が出てくるといいます。
15~29ミリリットル(ステージ4)は腎機能が高度に低下し、「腎不全」と呼ばれる段階で、医療機関ではこの段階から、人工透析を含む「腎代替療法」の導入について、話をされるようになります。さらに進んだ15ミリリットル未満(ステージ5)は尿毒症が進み、命の危険が出てくるため、腎代替療法の導入を考慮しなければならない状態です。
■脳梗塞や心筋梗塞のリスクにもなる
腎臓は血液の濾過以外にも、からだの水分量や血圧の調整などからだの恒常性の維持、赤血球の産生を促す「エリスロポエチン」などのホルモンを作る働きもしています。このため、高血圧の悪化や、赤血球の産生が抑えられて貧血が起こることで赤血球が運ぶ酸素が不足して、心臓の負担が増えることで心不全や肺水腫を引き起こしたりすることもあります。また、腎機能が悪い状態が長年続くと、血液中の毒素が血管を傷つけ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしやすいこともわかっています。