外国人レスラーでいえば、やっぱりスタン・ハンセンのラリアットだ。ハンセンにも言ったんだけど、俺がこんなしゃがれ声になったのは、彼のラリアットを食らい過ぎたからだ。あいつのラリアットは腕がまともにのどに当たって、息が詰まって苦しいんだよね。あのデカい馬場さんがひっくり返るくらいだから、やっぱり威力はすごいよ!

 日本人でいえばヒートアップしたジャンボ鶴田のジャンピングニーパッドとバックドロップはエグかったね。特にバックドロップは、ジャンボの場合ものすごい高さから急角度で首根っこを打ち付けるから、食らったヤツはみんな「くの字」になっているだろう。あれが後々にダメージになってくるんだ。

 俺は今、首の損傷が原因で入院しているけど、ああいう技を食らってダメージが蓄積された結果だ。今思えば試合後にアイシングするとかしてケアしておけばよかったんだろうけど、当時の俺は逆に酒をがぶ飲みして温めていたからなぁ(苦笑)。

 晩年は三沢光晴も首の調子が悪いって言っていたしね……。それに加えて、武藤敬司戦で繰り出した雪崩式フランケンシュタイナーで、頭からぐしゃっと落ちちゃったんだけど、多分、そのときに首の骨を傷めているんだよね。

 俺が今入院している環軸椎亜脱臼でX線を撮ったら「首の骨が2回折れた形跡がありますね」と言われてピンときたよ。あのとき、雪崩式フランケンシュタイナーは一発勝負、初めてやったんだ。だから不格好になっちゃったけど、真っ逆さまに落ちたもんだから、しばらく首が痛かった。それでも筋肉でカバーしていたからなんとかなっていたけど、引退して筋肉が落ちてくると痛みが再発してね。やっぱり筋肉は大事だ。

 ほかに食らった技で印象的なのは三沢のキックだね。三沢はエルボーのイメージが強いけど、あいつのローキックはシャープで後になって効いてくるんだよ。エルボーは食らうときの当たり方でダメージは軽減できるけど、太ももめがけて繰り出されるキックはどうにもならなかったし、戦っているとあのキックは厄介だったな。

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ジャイアント馬場の16文キックは痛いのか?