3月8日に第1ラウンドが開幕するWBCの日本代表に、日本人の母を持つメジャーリーガー、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)が招集され、「侍ジャパン史上初の日系人選手」と話題を集めている。
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日系人といえば、戦前から戦後にかけて阪神、毎日のエースを務めたハワイ出身の日系2世・若林忠志をはじめ、田中義雄(阪神)、与那嶺要(巨人-中日)、平山智(広島)、宮本敏雄(巨人-国鉄)ら、多くの日系米国人がプロ野球で活躍したのは、ご存じのとおりだ。
また、レン・サカタ(ブルワーズ‐オリオールズなど)のようにメジャーリーガーとしてプレーしたあと、ロッテの2軍監督やコーチを務めた日系人もいる。
さらには、姓名がいずれも外国人風なのに、「えっ、あの選手もそうだったの?」とファンが驚くような異色の日系人選手も存在する。
2015年から20年まで広島に在籍し、16年には外国人投手では史上2人目の沢村賞を受賞するなど、チームのリーグ3連覇に貢献した左腕、クリス・ジョンソンもその一人だ。
父方の祖母が日本人というジョンソンは、広島入団に際し、米国在住の祖母、イイジマ・ミツイさんが東京都小平市出身であることを明らかにし、「子供のころに日本土産でサムライ人形を貰ったことがある。僕の中に日本人の血が入っている意識がある。いつか日本でプレーしたいと思っていたので、うれしい」と“第2の祖国”への並々ならぬ思いを語っていた。
メジャーではパイレーツとツインズで通算7試合、0勝3敗にとどまったジョンソンだったが、来日後は捕手が要求するコースに正確に投げられる抜群の制球力を売りに、狙ってゴロを打たせる巧みな投球で、二桁勝利4度、通算57勝37敗、防御率2.76の好成績。見事「お祖母ちゃんの祖国で末永く活躍したい」の公約をはたした。
82年に大洋でプレーしたマイク・ラムも、米国人の父と日本人の母との間に生まれた2世。生まれてすぐに中国系米国人夫婦の養子になった。