2024年に卒業する学生の就職活動が本格化している。コロナ禍が区切りを迎えた今、企業はどんな学生を求めているのか。就活で失敗しないためのコツを、Googleの元新卒採用責任者である草深生馬氏が著した『チームワーカー Googleで学んだ最速で成長できる行動原則』から一部を抜粋・加筆して紹介する。
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■山奥で育った僕がグーグルに就職できた理由
グーグル(Google)で新卒採用責任者を務めた経験もふまえて、就活生のみなさんに大切にしてほしいことは5つあります。
[1]「フィードバックはギフト」と捉える
[2]他者の「ユニークネス」にも注目する
[3]「小さな改善」を積み重ねる
[4]「個」と「チームワーク」を両立させる
[5]「正しいこと」を行う
これらを「世界標準で働く人がもつ5つの行動原則」と名づけました。特にカギを握っているのが、4つめの「『個』と『チームワーク』を両立させる」。つまり、「チームワーカー」であること。「個」と「チームワーク」を両立させられるチームワーカーこそが「最速で成長できる人」になる可能性を秘めています。
「世界標準」としたのは、これらが「『グローバル』とは縁もゆかりもなかった長野県の山奥(人口30 人ほどの集落)出身の僕がグーグルのような世界的企業で働けるようになった理由」でもあるからです。
■グーグルが世界的な企業になれた理由
じつは、世界的な競争の先端を走る企業では、他の誰かが作った問いに対する正解を見つけにいくのではなく、「世界=正解がわからないカオス(混沌)」を大前提にして、他社よりも先に正解を規定するための先行投資をひたすら行っています。
たとえば、グーグルが開発した眼鏡型デバイスの「グーグルグラス(Google Glass)」。音声コマンドによってハンズフリーで写真や動画を撮ったりネット検索が使えたりするツールで、すごく便利なのですが、プライバシー侵害や自動車運転中の安全性などの問題が指摘されました。結果的に2015年に一般販売を中止し、B to Bでしか販売しなくなりました。こういう展開になったのは、誰よりも先に挑んだからこそです。