グーグルは先行投資のプロジェクトを同時にたくさん進めていて、じつは失敗(撤退)もいっぱいしているのです。何よりも大切なのは、失敗しないことではなく、失敗から学ぶ姿勢です。自らの足で自らの人生を歩んでいくには、そのような姿勢が欠かせないという言い方もできます。
もしかしたら今後、これまでの日本の就活のやり方自体が失敗だったということが露わになっていくかもしれません。
実際に、新卒の離職率が深刻な問題になっていて、それを避けるために、たとえば「パーパス(目的)」といったキーワードに絡めた就活が展開されるようになってきています。つまり、日本の就活に対して「これじゃダメだよね」という潮流が出てきているわけです。
その意味では、今まさに就活に関して「私の人生、これで大丈夫?」といった「もやもや」を感じてくすぶっているとしたら、むしろ有望です。だからどんどん悩んだほうがいい。
そういうもやもや、くすぶりこそが、全力で会社を選び、仕事を続けていき、自分の人生を大きく燃え上がらせる種火的エネルギーだからです。
■就活で失敗しないためには、どうすればいいか?
とはいえ、就活は、一生のゆくえを左右するかもしれない一大事。そう意識すればするほど、不安にもなるし、できるだけ安全な道を選びたくもなる……。
そんな就活生のみなさんの気持ちは、かつて当事者だった僕にも理解できます。
新卒採用支援を行う会社のCHRO(最高人事責任者)という現在の仕事柄、僕はよく就活生から「就活で失敗しないためには、どうすればいいですか?」という相談を受けます。
そんなとき僕は、グーグルなどでの経験もふまえ、迷わず次のように問いかけます。
「就活はあなたの長い人生の中の一部分。だから、あなた自身の人生のゴールをイメージして、そこから『何を仕事にして、何に情熱を燃やしていきたいか』を考えないと、『そもそも何が成功で何が失敗か』は決められないのでは?」