なぜ、ボクは、限界までお湯を使い続けるのか。
それは、シンプルにSDGsのためだしん。ボクは、地球に優しい男でいたいだけなの。だって、あんなに、たくさんのお湯を、たった一度の入浴ですべて捨ててしまうなんて、資源の無駄遣いをしているような気がしない? なんかボクは嫌なんだ。つねにお湯をためておけば、災害などがあった時にも、生活用水として使える可能性もあるしね。
ちなみに、リチは、そんなボクのお風呂には「絶対入りたくない」と言っている。一緒にボクの部屋で過ごしていても、お風呂は、わざわざ自宅に入りに帰るくらいだからね。
でも、ボクは、そんな濁ったお風呂に、リチと入りたいと思っている。せっかくお部屋デートをしているのに、いちいちお風呂のために自宅に帰るのも非効率だし、ボクのこと好きなんだったら、一度くらい味わってみてほしいとも思う。新しい世界が広けるかもしれないからね。一度も味わったことないのに、偏見だけで嫌がるのは納得できないなー。それに、なんか少し寂しいよ。
それに、リチは「あんな変な臭いがするお風呂に入っているのに、クロちゃんの身体が臭いと思ったことは一度もない」とも言っていたし。(かなり不思議がっているけど……)。
って、ことは、別にリチが入っても問題ないってことだしん!
ね? リチ、今度、一緒に入ろうよ?
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)