普通に「買ってくれ」では無理だと思い、自分がゲームをやってることを正当化し、僕を論破しようとしたんです。

 が、そのあとに僕が「わかりました。一人でやらせてすいませんでした。だとしたら、今すぐスプラ3をやめてもらっていいですよ。今までありがとうございました」と言ったら、息子は「そういうこと言ってんじゃないじゃん」と諦めて撤退。

 息子がションボリしながら帰る姿を見て、この行動には驚きましたし、こんなこと言うようになったんだと嬉しかったんです。

 その数日後。息子は勉強が嫌いです。めちゃくちゃ嫌いです。妻が「学校行くの、嫌なの?」と聞いたら、息子は「学校ってさ、友達と遊ぶところだと思ってたらさ、勉強があるなんて聞いてないよー」と。

 そうやって自分を正当化する息子。

 この息子の成長を見ていて、ふと思う。自分もいつからかこうやって自分を正当化したり、言い訳したりすることを覚えて大人になっていったんだよなと。

 人の成長って色々な色があるんだなと思う。おもしろい。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中。作・演出を手がける、今田耕司×鈴木おさむの第8弾舞台『正偽の芸能プロダクション』が3/15(水

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?