2006年のロッテは前年に日本一に輝いたこともあって、歴代でも1チームから最多となる8人が出場。本大会でも渡辺俊介、薮田安彦、里崎智也、西岡剛が見事なプレーを見せて優勝に貢献している。しかしシーズンに入ると渡辺、藤田宗一の2人が前年から成績を落とし低迷。他の6人についてはそこまで個人成績が落ちたわけではないが、前年のような勢いが感じられなかったことも確かである。
2017年の日本ハムで影響が大きかったのが宮西尚生と中田翔の2人だ。宮西は前年まで8年連続で3点以下の防御率だったのがこの年は3.32まで悪化。51試合に登板して5敗を喫している。中田も5年連続で記録していた20本塁打以上がストップするなど、この年は打率.216、16本塁打、67打点と低迷。また、本大会の出場は辞退したものの、前年に投打にフル回転の活躍を見せた大谷翔平も故障の影響で力を発揮できなかったことも痛かった。
一方、2009年の西武も前年の1位からBクラスに転落しているが、他の2例とは少し事情が異なる。WBCに出場したのは涌井秀章、中島裕之、片岡易之の3人だったが、揃ってタイトルを獲得するなど好成績を収めているのだ。シーズン前の大事な時期に主力がいないことの影響もあったかもしれないが、それ以外の要因が大きかったと言えそうだ。
WBCなど日本代表のメンバーは前年成績が良かったチームから多く選ばれるケースが目立つが、それでも成績を落とさずに連覇を達成したのが2009年と2013年の巨人と2017年の広島だ。巨人の2例で目立つのが外国人選手の活躍だ。2009年にはゴンザレス、グライシンガー、クルーン、ラミレスが、2013年にはホールトン、マシソン、ロペスが主力として揃って活躍を見せている。また2017年の広島は薮田和樹、岡田明丈、九里亜蓮の3人の投手が揃ってブレイクするなど若手の底上げが大きかった。WBCに選手を多く派遣しながら強さを維持するためには、主力以外の選手をどう引き上げるかということが重要と言えるだろう。