私が仕事をしていることに対して、「プロ野球選手の妻なんだから、もっと家で旦那さんを支えた方がいい」と厳しい意見をいただくこともありますが、もっと長い目で考えると、いつか旦那さんが選手を引退するときに私が働いていた方が支えられるんじゃないかなとも思います。それは経済的にも、精神的にも、ですね。
――自社内の働き方はどうしていますか。
地方在住で小さなお子さんを子育て中の女性のデザイナーさんとは、打ち合わせはすべてオンラインにしています。私がSNSで作品を見かけて素敵だなと思い、自分でアポイントを取って仕事をお願いするようになったのですが、詳しく話を聞くと彼女も結婚前はバリバリ働いていて、転勤族の旦那さんとの結婚を機に仕事を辞めていて、「自分って何なんだろう」と考えた時期もあったそうです。
一緒に働くスタッフは、今は独身の子が多いので、勤務時間は夕方18:30までにしていますが、今後は20代で積み重ねてきたキャリアと子育てを両立できたり、女性が働きやすい、多様な働き方ができる企業を目指してベース作りをしていきたいです。もちろん経営者として、成果とどうバランスをとっていくかも考えたいです。
――忙しくて心身ともに疲れてしまったり、悩みを抱えたりすることもありますか。
会社を経営しているとショックなことや、いきなり起きてしまう出来事も多いので、一喜一憂していられないです。どうやって問題解決していくか考えて、すぐに意思決定していかなきゃ務まらないので、引きずらなくなったのかもしれません。仕事もあって、旦那さんとの時間も娘との時間もあるから、切り替えができて良いバランスなのかな。
それでも精神的に疲れたときは、まず寝ますね。悩みやモヤモヤしていることがあれば、その日のうちにマネージャーさんや会社のスタッフに話して、アドバイスを聞きながら自分の頭を整理します。私が弱音を吐いても、周りに心配をかけてしまったり皆を振り回してしまうだけですし、会社のスタッフの皆がいつも前向きで意欲的なので私もその姿勢に励まされることも多いです。やってもどうにもならなかったことはきっぱり諦めたり、一時停止させたり。ぐるぐる考えることはしないです。これは芸能生活で身に付けた「切り替え」ですね。