「時には悔しい涙を流し、時には嬉しい涙を仲間と分かち合い、その経験のすべてが僕の宝物です」とこれまでのスケート人生を振り返った(撮影/写真部・加藤夏子)
「時には悔しい涙を流し、時には嬉しい涙を仲間と分かち合い、その経験のすべてが僕の宝物です」とこれまでのスケート人生を振り返った(撮影/写真部・加藤夏子)
昨年末の全日本で披露したシングル最後のショート「ザ・フェニックス」を男子5人による群舞として披露。迫力ある演技に、会場が沸いた(撮影/写真部・加藤夏子)
昨年末の全日本で披露したシングル最後のショート「ザ・フェニックス」を男子5人による群舞として披露。迫力ある演技に、会場が沸いた(撮影/写真部・加藤夏子)
「美女と野獣」の音楽に乗せて披露した村元哉中との初ダンス。優雅な舞に、観客からはため息がもれた(撮影/写真部・加藤夏子)
「美女と野獣」の音楽に乗せて披露した村元哉中との初ダンス。優雅な舞に、観客からはため息がもれた(撮影/写真部・加藤夏子)

 高橋大輔が座長を務めるアイスショー「アイス エクスプロージョン」。シングル卒業の感慨からアイスダンスへの期待感まで、高橋大輔のスケート人生の集大成ともいえる舞台となった。AERA 2020年2月3日号の記事を紹介する。

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 昨年末の全日本選手権でシングル競技から引退した高橋大輔(33)が、1月10~12日、新年最初のアイスショー「アイス エクスプロージョン」(横浜市)に出演。3日間にわたる公演の初演で魂の滑りを見た。シングルへの清々しい別れ、そしてアイスダンスとの初々しい出会い。高橋の二つの心をそのまま爆発させたアイスショーに、多くのファンが胸を高鳴らせた。

「年明けということでエクスプロージョン、爆発というテーマにして、僕が名前を付けました。思い切り爆発して良いスタートを切りたいです」

 アイスダンスのパートナーとなる村元哉中(かな・26)のナンバーでは、最後に高橋が現れ、寄り添うようにフィニッシュポーズを決めた。初めての“絡み”の演技は、まだちょっと恥ずかしそう。フレッシュな笑顔が弾けた。

 高橋自ら見どころというのは、シングル最後のショートとなった「ザ・フェニックス」の再演。ミーシャ・ジーら男子5人によるコラボレーション作品として仕上げ、パワー全開。後半はジーとシンクロしながら、不死鳥の伝説を刻むようにステップを踏む。果敢にジャンプも跳んだ。

「メンズのナンバーにして、人数を増やしての演技が実現しました。ジャンプは決めないと締まらないので、気合を入れていきました。初演はミスもあったので、残り5公演はばっちり決めたいです」

 第1部の最後を「ザ・フェニックス」で締め、シングルに別れを告げる。第2部は、高橋のスケート人生を意味するかのように、アイスダンスから始まった。

 五輪メダリストの2組のアイスダンサーと共に高橋と村元が初のダンスを披露する。「美女と野獣」のテーマ曲に乗せ、2人が出会い、恋に落ち、結ばれていくようなストーリーだった。

「チャーリー(・ホワイト)にアイスダンスナンバーを作ってもらいました。哉中ちゃんとトライアウトはしたけれど、ちゃんと組んだプログラムを作るのは初めてで、だいぶ初心者感が出ていると思う。ここからどう変わっていくか、最初のスタートをお客さんに見て頂けました」

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