●人見知りを乗り切る方法
では、人見知りを乗り切る方法です。
・安心するまでお母さん(お父さん)が抱っこする
赤ちゃんが人見知りを始めたら、まずは赤ちゃんの気持ちを落ちつかせることが先決。赤ちゃんが安心するまでお母さんが抱っこします。人見知りは、外ですることが多く、赤ちゃんが大泣きするので「早く泣きやませなくては!」と思うかもしれませんが、お母さんが慌ててしまうと赤ちゃんが落ち着かないので、ドーンとかまえて「大丈夫!大丈夫!お母さんがいるよ」と赤ちゃんを安心させます。
・周りの人に伝える
はじめて会う赤ちゃんに近づいて泣かれると、保育士の私でも「あ!しまった!距離感、間違えた!」と思ってしまうものです。赤ちゃんが泣く前でも泣き出してからでも構わないので、「この子、人見知りが始まったんです。泣くと思いますがよろしくお願いします」と一言伝えるだけでも周りの方の赤ちゃんを受け入れる気持ちが変わります。あまりに泣くときは、席を外すことも大切な配慮です。
・相手の人と仲良くする
目の前の人は、「お母さんやお父さんと仲良しなんだよ」という姿を赤ちゃんに見せましょう。親が相手に対して緊張感を持っていると、赤ちゃんも抵抗を感じてしまうこともあります。
・慣れたら距離を縮める
無理にする必要はありませんが、赤ちゃんが泣きやんで相手に興味を抱いているようなら、少しずつ距離を縮めます。おもちゃの受け渡しをやり取りするようなことからスタートさせます。
人見知りしている赤ちゃんの様子をよくよく見ていると、知らない人を見て不安になり大泣きして親の胸に顔をうずめているのに、しばらくしたらチラリとまた見返して大泣きする。を繰り返します。これは「不安」に思いつつも「興味」がある表れ。赤ちゃんなりに知らない人との距離の取り方を考えているのでしょう。
わが家の息子と娘は、長期間にわたり、人見知りの強い子たちでした。叔父の家に泊まりに行ったときは、普段は安心して抱っこされている祖父母もダメ。2日間ずっと私におんぶされて、背中で親戚の顔や家の中の様子を観察しながら警戒していました。「自然たっぷりの叔父の家でリラックスする」つもりがずっと抱っこにおんぶでヘトヘトに。同い年の親せきの子は走り回って遊んでいるのに、もったいないな、なんて思いましたが、何をしても「かたくなに警戒している」娘の姿も面白く、「こんなに私を頼ってくれるって幸せなこと」だなとも感じました。
人見知りは、赤ちゃんの心の成長の通過点。今しかない赤ちゃんの反応を、かわいく面白くとらえることができると、心にも余裕が生まれます。(文/中田馨)
※AERAオンライン限定記事