小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(29)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、いつも笑顔でいる廣津留さんに、「人間関係での悩みや嫌な思いをした経験は?」という20代女性からの素朴な疑問に答えてもらった。
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Q. いつもニコニコ笑顔の廣津留さんですが、人間関係で悩んだり嫌な思いをしたりしたことはありますか?
A. うーん、私は何か嫌なことがあっても、基本的には寝たら忘れるタイプなんですよ(笑)。でも、1回でも嫌な思いをした人とはあまり関わらないようにしたり、何か問題が起こりそうだなと思ったら距離を置いて自分からは深入りしないようにしたりしていますね。あとは、まわりの人に相談してみる。そうすると、嫌だと思っていた相手にも何か事情があることが分かって、仕方ないなと思えることもあります。
ジュリアード音楽院はみんなが音楽でトップを目指しているという環境だけに、学生同士がライバル心を持つことが結構ありました。「あの人の演奏は微妙だったね」とかはまだ良い方で、「あの子性格悪いよね」とか批評ではない悪口のようなことを言う人もいました。私はそういう話が始まるとそっと席を外したり話題を変えたりして、ネガティブな話には乗らないようにしていました。指揮者だって演奏家だって、人間みんな欠点はあるし、自分もそんな風に言われたら嫌だから。ジュリアードの前に通っていたハーバード大では、それぞれが異なる分野を学んでいたこともあり、お互いにリスペクトを持って話すことが当たり前だったので、その頃を思い出してなるべく人の良いところを見つけるようにしていました。