「日記や翌日のTo Doリストを書き、毎日に区切りをつけています」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)
「日記や翌日のTo Doリストを書き、毎日に区切りをつけています」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)

 嫌なことがあっても寝たら忘れる、というのは性格的なものもあるかもしれないけれど、“その日のことはその日のうち”に、毎日に区切りをつけるようにしていることも大きいかもしれません。一日の終わりに日記や明日のTo Doリストを書く習慣も役に立っています。うまくいかないことも日記に書いて記録することで自分の気持ちに整理がつくし、気にしなくていいと思えます。やるべきことがたくさんある……、などプレッシャーを感じてしまうような状況でも、前の日の夜のうちに明日やることを決めてしまえばひとまずその日は落ち着きます。

 夜にごはんを食べに行くなど予定が入っているときは、出かける前に翌日のTo Doリストの作成だけは終わらせておく。そうしたら、あとは心置きなく楽しめて、いい息抜きや気分転換の時間になるし、たとえその日に終わらなかったタスクがあっても、翌日のTo Doリストに繰り越しておくだけで「明日やれば大丈夫」って思えます。「実はまだ仕事が残っていて……」なんて一緒にいる相手に言うこともなく済みます。そうやってきちんと区切りをつけることでさっぱりして、また明日、新しい一日を始めようっていう気になるんですよね。

Q. 仕事などどうしても関わらざるをえない相手の場合は、どうすれば……? 

A. 難しいけれど、自分が一歩引いて大人になることでしょうか。問題になっている人間関係を心理的にちょっと遠くから見てみて、まずは自分が抱えている悩みや嫌な思いをしている原因を冷静に分析します。相手の行動のせいなのか、それとも自分の捉え方なのか。

 もし相手の行動が原因なのだとしたら、人を変えることはできないし、いちいち嫌だなと思っていたらこちらの気も持たないので、「そういう人なんだ」と割り切るしかないと思っています。そういう目線で相手を観察してみると、「この人はこういう表現でしか思ったことを伝えられないんだな」とか「人間の心理って不思議だなぁ」って、どこか観察者のような捉え方になってくるんですよ。そうやって心理学の勉強だと思って対応する(笑)。

 一方で、もし自分の捉え方が理由なのだとしたら、頑張って相手のちょっとでも尊敬できるところや良いところを探してみる。例えば「言い方はきついけど、この人仕事が超絶早いんだよなあ」とか。これは人間関係だけでなく、何かしら理不尽な目に遭ったときも同じ。「気難しい上司の手なずけ方を会得した」とか「この難題を克服したからにはもうどんな目にあっても余裕!」とか、何でもいいのでプラスになったことを探してみるといいですよ。そうすると、気持ちがラクになってちょっとは救われるんじゃないかなと思います。

構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS

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