侍ジャパンが9日、WBC1次ラウンドの初戦で中国代表と対戦し、8ー1で白星発進した。
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スコアだけ見れば快勝に見えるが、試合序盤に好機で大量得点が奪えずに重苦しい雰囲気が流れた。初回無死満塁の絶好機に4番・村上宗隆の押し出し四球で先制したが、5番・吉田正尚が遊飛に倒れると、6番・岡本和真の浅い右飛で三塁走者・近藤健介がタッチアップを試みたが、本塁憤死。WBC初戦で独特の重圧もあったのだろう。この重苦しい雰囲気を投打で変えたのが、「3番・投手」でスタメン出場した大谷翔平だった。
立ち上がりは直球、スライダーの制球がイメージした軌道から微妙に外れていたが、三者凡退に抑えて、2回以降はギアが上がった。この日の最速160キロを計測するなど、危なげない投球だった。4回まで二塁を踏ませない好投で、1安打5奪三振無失点。49球と球数に余裕はあったが、4回で降板となった。
打撃では2回2死満塁の好機に遊ゴロに倒れたが、1点リードの4回1死一、三塁で低めのツーシームを左翼フェンス上段に直撃する2点適時二塁打。打線が試合序盤に再三好機を作ったが拙攻で追加点が奪えなかっただけに、貴重な一打となった。8回にも豪快に引っ張って強烈な右前打。6打席で2つの四球を含む4度出塁。2安打2打点とバットでもチームに大きく貢献した。
試合後のお立ち台では、「ちょっと序盤から重たいゲームでしたけど、何とか最後の方に打線もつながって勝つことができたので、また明日以降頑張りたいと思います。球数は決まっていたけど、その中でなるべくゼロで抑えることを考えていました。比較的ストライク先行でどの球種も良かったと思うので、また明日切り替えてバッターで頑張りたい」と振り返った。そして、「(4回の打席は)あともうちょっとでホームランだったので。もうひと伸びできれば本当は良かったんですけど、その後もチャンスがありましたし打てればベストだったかなと思います」と語った。