

ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。
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赤ちゃんがイチゴを食べるときの顔が大好きなんです。酸味にちょっと困惑して、「あれ、おいしいかも?」ってまた食べて、また困惑する、あの繰り返し。で、練乳とか付けてあげるとすごく喜んだりして、たまらなく可愛い。
僕も結構好きだったのに、一時期遠ざかったんです。おそらく原因は「女子感」。クラスの女子のノートやら文具が、ピンクの背景にイチゴっていうデザインが多くて。「女の食い物じゃん」って図式が成立しちゃった。
でもイチゴのデザイン、娘ができてからはどんどん家に入ってきました。好きなのはキティちゃんに出てくるイチゴ。僕、キース・ヘリングみたいな太い線の絵が好きで。漫画なら劇画より藤子不二雄、みたいな。だからキティちゃんは嫌いじゃないんですよね。
あ、ジャムはね、イチゴがダントツです。マーマレードは苦いからイヤで。途中からブルーベリーが登場してイチゴとタメを張るんですが、やっぱりイチゴの勝ち。実がごろごろ残っているタイプもいいけど、イチゴジャムは程よいつぶれ加減が欲しいです。
※AERA 2020年1月13日号