マクアケにて2020年1月24日までクラウドファンディング実施中。詳しくは「まちとこ」ホームページをご覧ください(写真/まちとこ)
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音と絵が結びつきやすく、字を読めなくてもカルタを楽しめる(写真/まちとこ)
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親子で楽しめばコミュニケーションも深まる(写真/まちとこ)
親子で楽しめばコミュニケーションも深まる(写真/まちとこ)

 乳幼児を持つ親にとって、心配のタネの一つが「言語の発達」。とくにまわりと比べて言葉が遅かったり、乳幼児健診時にあまり言葉が出てこないことを指摘されたりすると、不安はどんどん大きくなるもの。

【字が読めなくても楽しめる「オノマトペカード」】

 そんなとき、言語聴覚療法の現場で使われることが多い「オノマトペ」が有効かもしれません。オノマトペを使った語りかけに注目して、長年、子どもの言葉の発達支援に取り組んできた言語聴覚士の石上志保先生にお話を伺いました。

*  *  *

 乳幼児の言葉の発達を促すには、ゆっくり、はっきり、短い言葉で語りかけることが基本。石上先生は、言葉の発達が比較的ゆっくりした子どもには、オノマトペによる語りかけが効果的なことが多いといいます。オノマトペとは、「つるつる」「ざあざあ」など身の回りの物の様子や動きを音で表す言葉のこと。小さな子どもにも意味がわかりやすく、言語の表出にもつながりやすいようです。

「個人差はありますが、言葉の発達がゆっくりなお子さんは、言語音を記憶し、真似ることが難しい場合があります。例えば、『りんご』という単語を聞いたとき、『り・ん・ご』の3つの音のうち、頭に残った最後の『・・ご』だけをなんとなく真似して言うのです。私たち大人でも、聞き慣れない外国語を正確に真似るのは難しいですよね。それと似ています」

 そこで、小さな子どもにとって聞き取りやすく真似しやすい言葉が、「わんわん」「にこにこ」など音の繰り返しや、「ぽとっ」という動きを表現したオノマトペを使った語りかけです。音から意味や様子をイメージしやすいため、理解と発話の両面から子どもの言語発達を促すことが期待できます。最近の研究では、さまざまな種類の単語のなかで、オノマトペは、意味を理解できるようになってから自分で使用できるまでの期間が短いこともわかってきています。

 実際に石上先生が携わる言語聴覚療法の現場では、オノマトペを活用することで次のような変化があったといいます。

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二つの事例をご紹介します