「何をやるかは自分で決める。自分の裁量で練習しています」

 東大生らしく論文を読み込んで練習法を研究する部員もいるという。将来は仕事を持ちながら走る市民ランナーが目標だ。

「将来的にはフルマラソンにシフトしバリバリ走りたい。長距離はセンスだけでできるものでもない。練習や蓄積が必要だし、人間性を変えていかないと競技上も成長できないと思います」

 残念ながら出場ならなかった慶應。保科光作競走部ヘッドコーチ(35)は悔しさをにじませながら「筑波の本選出場には刺激を受けた」と言う。そんな中、法学部2年の司代隼選手(しだいじゅん=20)が学生連合チームに選出された。実は慶應でも5、6番手の選手。しかし予選会当日、予想外の暑さの中でエース級が失速する中、力を発揮した。

「高2の正月に、慶應が箱根駅伝を目指すというニュースを見て、慶應に志望校を変えました。一般受験組でもやれるんだということを伝えたいです」

 箱根駅伝は関東の大学しか出場できないが、12月10日の記者発表会で青学の原晋監督(52)は「100回大会を機に全国化を」と提言した。人気は一層過熱しそうだ。(編集部・小柳暁子)

AERA 2019年12月30日-2020年1月6日号より抜粋