12月9日に誕生日を迎えられた皇后雅子さまが「感想」をつづった文書や、ビデオが公表された。ビデオに映るその姿からは、令和という時代を迎えた雅子さまの変化を垣間見ることができる。AERA 2019年12月23日号の記事を紹介する。
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今回、文書と共に写真とビデオも公表された。そこでの雅子さまはゴールドの光沢あるスーツを着ていて、とてもよく似合っている。闘病中の雅子さまは、いつも地味な色のパンツスーツを着ていた。今回、輝くような膝丈(ひざたけ)のスカートを着こなす雅子さまに令和になって以来の堂々たる姿が重なり、自信を取り戻しているのだと思う。
そして平成から令和への変化がはっきり表れたのが、ビデオだった。陛下と雅子さまは、目を合わせておしゃべりをしていた。世代の違いだろう、上皇陛下(85)と美智子さまにはほとんど見られなかった光景だ。
細かい説明で恐縮だが、全部で2分38秒のビデオのうち1分44秒は陛下と雅子さまがお二人で映っている。そのうちの最後の18秒はそれぞれのアップが映るが、それ以外はお二人が画面に並ぶ映像だ。計算すると1分26秒。その間、お二人は休むことなく話している。
音楽が流れていて、声は聞こえない。解説によると、「即位の礼の祝宴などで出席者に贈られたボンボニエールや、大嘗祭(だいじょうさい)の関連儀式で飾られた銀製の調度品を前に語らう様子」だそうだから、思い出話に花を咲かせていたのだろうか。