この日は特別にカミツキガメの実物を水槽から出して見せていただきました。
カミツキガメは特定外来生物に指定され、口に入るものは何でも補食する獰猛で攻撃的なカメです。
そのため、普段は水槽のフタに重しをして、万が一にも出てこないようにしているそうです。
館長の両手に抱えられながらも必死に抵抗するカミツキガメ。
筋肉質な体の力強さや動きの俊敏さは私たちの想像をはるかに超えています。
「……」
たくらみキッズはその様子を固唾を飲んで見守ります。
次に動画やスライドを使って、外来生物が日本にきたきっかけを中心に解説していただきました。
外来生物の問題が生じる原因は、様々な形で人為的に生物が運ばれ、野外に放たれることです。外来生物が及ぼす影響を正しく理解することは大切ですが、だからと言って「外来生物は悪者だ」という判断は一面的です。
それらが日本に住み着くことで新たな生態系ができつつあり、一筋縄ではいかない問題であることを改めて実感させられました。
個人的には館長のお話を真剣に聴き入る子どもたちの表情がとても印象的でした。きっと今回の見学は彼らの学びを深めるうえで重要な体験になったことでしょう。
プロジェクトは中盤戦に差し掛かり、いよいよ調査フェーズに突入します。子どもたちは京都市内で増えていると考えられる外来生物の中から自分が一番気になるものを選び調査を進めていきます。
※AERAオンライン限定記事
○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事