ラーメンチェーンの中でも、オーソドックスなしょうゆラーメンではなく、とんこつメインの一風堂を選んだのは「一風堂というブランド力があるから。国内160店舗、海外14カ国120店舗を展開する一風堂さんはかなり認知されており、クオリティも信頼できる」とのこと。

 続いて力の源ホールディングス執行役員CSOの山根智之さんが現れた。青いジャケットに、髪の毛を後ろで一つにまとめたサムライスタイルで語る。

 印象に残ったのは、「日本ならではの、麺をズズッと音をたててすする喜びを、海外の方にも伝えたい」というセリフ。同社では「project ZUZUTTO(ズズット)」というネーミングで真剣に取り組んでいる。

 ここまでの前座があって、冒頭のラーメン試食に至ったわけだが、よく考えてみればこのラーメン、ザ・ペニンシュラホテル東京のルームサービス限定のメニューである。4200円出して注文できるのは、宿泊者だけだ。

 同ホテルのホームページから予約すると、素泊まりで1人1泊7万1千円から(2019年9月5日に大人2人で泊まった場合の一人当たりの室料、税金・サービス料別)。

「この価格帯に泊まれる人ってさ、私たちがビジネスホテルに泊まったとき『1Fのコンビニでカップ麺買う?』みたいな感じで部屋に一風堂ラーメンを頼むんじゃない?」とカメラマンに話しかけると「それはちょっと違うんじゃ……」って微妙な返答だったけども、近いんじゃないか? そのへんに富裕層が歩いていたら聞いてみたいが、少なくとも編集部にはいなかった。

 個人的には「いい思い出になるよ、楽しいよ、おいしいよ、ペニンシュラに泊まったら1回くらい頼んでみてもいいかもよ」と言いたい。SNSには、格好の”映えネタ”だし。

 ルームサービスの提供自体は、今回のお披露目より1カ月以上前の7月中旬から地味に始まっている。特に派手な宣伝もしていないのに、1日平均6~8食、多い日は1日10食を超えるようになった。

「え、こんなに大きなホテルで、それだけ?」と思ったが、それは私たち素人の感想。ルームサービスでコンスタントにこれだけ出るのは珍しいことなのだという。

「替え玉も可能」という言葉を聞いて、すかさず「いくらですか?」と聞いたが、その場で正確な数字が分からず後日回答となった。

 1泊1人7万円以上の部屋で約4200円のラーメンを食べる世界では、替え玉の正確な値段なんて誤差なのかもしれない……。

 翌日、替え玉料金について連絡があった。一玉、400円。「税金とサービス料は別ですよね?」とは聞けなかった――。(編集部・中島晶子)

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