近く、『グレイヘアという選択』の翻訳本が出る予定だが、一足早く、今年1月にグレイヘアを記事にしたのが、ハンギョレ新聞東京支局長の曹基源さん(42)だ。日本の高齢化社会を考える連載の1回目として依田さんを取材し、ブームを紹介。他にも2人、グレイヘアを実践する女性に会い、話を聞いた。

 染める、染めないのどちらが優位だとは思わない。どちらも選べることが良いと、書いた。ネットを中心に反響があったのは、韓国初の女性外相・康京和さん(64)がグレイヘアでカッコいいと、話題だったことも関係したのでは、と分析する。

 取材した朝倉真弓さん(47)が印象に残っていて、それは赤い服が似合っていたからだそうだ。個人的意見だと断りながら曹さんはこう言った。

「服を着ておしゃれをすることが好きなタイプの女性が、グレイヘアに有利だと思います」

 なるほどー。

 最後にまた自分のことで恐縮だが、洋服好きだ。グレるのに飽きたら、グレイヘアでどんどんおしゃれをしようと思う。(コラムニスト・矢部万紀子

AERA 2019年7月8日号

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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