子どものいない夫婦やおひとりさまなどから注目度が高いのが「樹木葬」だ。今年1月に亡くなった俳優の市原悦子さん(享年82)も、千葉県内のお寺の樹木葬で舞台演出家の夫、塩見哲さん(2014年死去、享年80)の隣に埋葬されたという。
「国内では1999年に岩手県一関市のお寺で初めて行われ、自然に返りたいという考え方や後継ぎを必要としないお墓として注目されました。樹木葬を行う霊園やお寺は、首都圏では150カ所ぐらいあると言われ、今も増え続けています」
そう解説するのは、自然葬などを手がける葬祭コーディネーターで「くぼた」(東京都府中市)の久保田豊代表。墓石の代わりに桜など樹木の下に埋葬する。永代使用料がかかり「三十三回忌」など、節目の年まで霊園、お寺などが管理して、後に合祀されるタイプと、永代使用料がかからない代わりに合同墓に合祀されるタイプ、墓石の代わりに墓標があり、その下に骨壺ごと埋葬するなど、種類は多様化して料金形態も複雑になっているという。
粉骨した上で合祀するタイプや骨壺ごと埋めるなど、埋葬方法によっても使用料は異なる(表参照)。
都営霊園では12年に初めて小平霊園(東村山市)で樹林墓地が造られた。焼香や献花は献花台で行い、永代使用料や年間の管理料はない。粉骨した上で樹林型の墓地に合祀(ごうし)すると1体4万2千円、粉骨していない場合は12万8千円。個別に納める樹木型でも18万8千円と最安値圏。