2021年の衆院選で、自民党は大阪府の小選挙区は維新に全敗し、議席を取れなかった。
自民党の元衆院議員が厳しい表情でこう話す。
「維新の前回衆院選の勢いが統一地方選でも続くと、公明党が大阪府内で勝っている四つの小選挙区は、維新が候補者を出せば負けてしまうでしょう。兵庫の二つも同様でしょう。知事選は吉村氏が相手では厳しいが、大阪市長選ではチャンスがあるはず」
そして、公明党の幹部は、
「いずれ大阪府と兵庫県の計六つの小選挙区にも維新が出てくるだろうとは見ています。もし候補を立ててきたら、仮に大阪府知事が吉村氏の場合は、公明党は全敗するでしょうね。維新が候補者を出すなら小選挙区は自民党に任せて、我々は比例代表だけで勝負という選択も考えるほど維新は強い」
と維新の脅威を感じている。それを踏まえ、今後については、
「これまでは松井氏相手に、大阪都構想という交渉材料がありました。しかし松井氏がいなくなったら、馬場氏か吉村氏と話すことになるのでしょうかね。松井氏は顧問として維新に残るそうなので、引き続き松井氏と交渉ができればなんとかなる可能性があるかもしれませんが……。もし六つも小選挙区を失えば、自民党の連立相手もうち(公明党)より維新に傾きかねないです」
と危機感を募らせる。
とはいえ、維新も「大阪ダブル選勝利」「地方議員600人」のいずれかが欠けた場合、局面は一気に変わる可能性がある。どの政党にとっても大きな節目となる統一地方選となりそうだ。
(AERA dot.編集部 今西憲之)