証書がなくなったからといって、契約が無効になるということはない
証書がなくなったからといって、契約が無効になるということはない

 いざという時のためにかけるのが、火災保険や地震保険、生命保険などの各種保険。だが、その「いざ」のせいで証書類が失われたら。

 アエラMOOK『災害からお金を守る』によると、証書がなくなったからといって、契約が無効になるということはないという。

「万一、保険証券が他人の手に渡っても悪用されることはほとんどありません。証券だけでは保険金は詐取できませんし、保険証券が本人確認書類になることもありません」(災害時の金融機関の対応に詳しいファイナンシャルプランナーの西原憲一さん)

 とはいえ、証券は保険加入を証明する大切な書類であり、個人情報も記載されている。その他の貴重品と同時に警察に届け出ておくのが賢明だ。

 次にするべきことは、保険会社への連絡だ。その際、証券番号がわかっていると、手続きはかなり楽だ。しかし、保険の証券番号やコールセンターの電話番号がすぐにわからないことも珍しくない。そんなとき、どうするか。

■「ご契約内容のお知らせ」はがきを持っておく

 保険会社からは年に一度、自分が今加入している保険についてのお知らせはがきが届く。そこには証券番号や保険商品名、保険会社の連絡先(コールセンターなど)が記載されている。

■各保険業の協会に問い合わせて照会する

 連絡先も保険内容も証券番号もわからない場合、損保・生保ともに各協会に問い合わせれば契約を照会してもらえる。照会確認に約2週間はかかる。契約が確認されたら、各保険会社から本人に連絡が入るので、そこで指示をあおぎ、再発行の手続きを行う。

 再発行の手続きには本人確認ができる身分証明書(運転免許証、パスポートなど)のコピーが必要だ。また、保険会社によっては再発行請求の書類に実印の捺印や印鑑登録証明書の添付を求めてくる場合もある。

「緊急被災時にそこまでの対応が必要かどうかは、保険会社に相談してみるとよいでしょう。被災時は、保険会社は緊急対応をします。本人確認ができていれば認印やサインで手続きが進められます」(西原さん)

(ライター・浅野裕見)

※AERA Mook『災害からお金を守る』より