写真:gettyimages
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 子育てに正解はない……と知りつつも、よその子の習い事事情や教育法、さらにはネット上の情報に翻弄される親も少なくない。妊娠中から子育てまで、さまざまな情報に振り回されがちだが、そこから逃れる方法はあるのだろうか。

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 親たちが圧力を感じるのは、習い事や教育だけではない。渋谷区に住むライター・エディターの女性(42)は、「早寝早起き」圧力がつらい。早く寝かせないとダメ親の烙印を押されるようだという。

 午後7時頃まで仕事をしているため、保育園に娘を迎えに行き、帰宅して夕食をつくり、食べ始めるのは8時すぎ。入浴し、翌日の準備をして10時に布団に入れば御の字だ。娘は朝8時起床なので、睡眠時間も10時間近く確保している。でもママ友や保育士、仕事で会った教育関係者からは「遅すぎる」と非難される。先日、子育て中の友人たちとの夕食会で、午後7時スタートを提案したら、子どもを幼稚園に通わせている友人から

「ごめん、寝る時間だから無理」

と言われた。うちはまだ保育園にいる時間なのに……とショックだった。

 娘がなかなか寝ない日は、怒って無理に寝かしつけてしまう。娘の寝顔を見ながら、一日の終わりに嫌な思いをさせるなんて、なんでこんなことやっているんだろう、と自己嫌悪に陥ったことが何度もある。

 この「早寝早起き」は、06年に文部科学省を中心に「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が設立され、子育て情報サイトなどでも盛んに発信される。ベネッセ教育総合研究所が未就学児の保護者に対して行っている調査「幼児の生活アンケート」では、午後10時以降に寝る幼児の比率は、00年には39%だったが、15年には24%に減少した。もちろん早寝早起きが大切なことはわかるが、あまりに強調されると、子どもの思いに寄り添うことより、生活習慣を守ることだけが重視されてしまう。

 妊娠・出産や子育て情報には、不正確で根拠のないものも多い。「母乳神話」もそのひとつ。危機感を煽り、母親を追い詰める。

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