
「保守分裂」となった奈良県知事選で自民党候補が大敗した。現新候補2人の推薦をめぐって、奈良県連と党本部が分裂するなか、日本維新の会候補に知事の座を奪われた。候補を一本化できなかった同党奈良県連会長の高市早苗経済安全保障担当相に責任論が浮上するなか、4月11日の記者会見で、高市氏は「もしかしたら県連推薦以外の方を党本部が応援されたのかなという疑問の声が上がっており、きちんと検証することが大切」と党本部の対応に不満を漏らした。こうした混乱について、地元では「高市氏の力技が知事選をメチャクチャにした」との声も上がっている。地元選挙関係者に知事選の舞台裏を聞いた。
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自民党は、知事5選を目指した荒井正吾氏(78)と県連推薦の元総務省課長の平木省氏(48)で支持が割れた。高市氏は県連会長として平木氏の擁立を主導し、荒井氏に関しては、11日の記者会見で「自民党の推薦候補ではございません」と突き放した。
保守分裂となった影響は大きく、日本維新の会の山下真氏(54)が次点の平木氏に7万票近い差をつけて大勝した。平木氏の陣営は高市氏からの応援を期待したが、結果的に、高市氏は1度しか奈良に入らなかったという。地元の自民党関係者はこう話す。
「高市さんは3月23日の平木さんの出陣式にも顔を出さず、その後の決起大会には来ると言っていたのにドタキャン。さすがにそれはまずいと思ったのか、投票日の2日前になって奈良に入り、橿原市の会場で約15分間だけ応援演説をしました。ただ、終わるとすぐに帰京してしまったため、平木氏と並んで立つことはありませんでした」
平木陣営によれば、「このとき、平木さんは違うところを回っていて、高市さんに追いつこうと演説会場に行こうとしたのですが、(高市氏は)飛行機の時間が迫っているとのことで、すでに会場にいなかった」という。
選挙前、平木氏の陣営は「勝てない選挙はしない。勝てる絵は描けている」と自信を持っていたが、結局、高市氏からの応援を十分に受けられないまま投票日を迎え、山下氏に大敗した。