その後、高市氏は荒井氏の自宅にもやってきたという。この側近によると、
「3月4日、高市さんが荒井さんの自宅のインターホンを鳴らしたんですが、ちょうど、荒井さんはミニ集会に出席していて不在で、奥さんだけだった。高市さんは4枚くらいの便箋を入れた封筒をポストに入れていきました」
その便箋には「私が平木さんを連れてきたのではない。私は平木さんの出馬を一生懸命に止めた」という趣旨のことが書かれていたという。そして、「自己保身の言い訳ばっかりですよ」(前出の側近)と切り捨てた。
さらに、前出の後援者は高市氏についてこう話す。
「あの人は冷たいし怖いですわ。『私が決めた通り動くのは当たり前』という感じでね。荒井さんにしたら、県が推進したい事業に関して高市さんの了解がもらえなかったら、先に進められなくなるという危機感があったと思う。だから『そんな県政になってはダメだ』という意味も込めて出馬されたのだと思います」
AERA dot.は、高市氏の事務所に「荒井氏の自宅を訪問してメッセージを残したか」と事実確認をしたが、期日までに回答はなかった。
高市氏は4月11日の記者会見で党本部にこう注文をつけた。
「4期以上の多選候補には党本部推薦は出ないというルールがあるんですけれども、都道府県連が地元で推薦を決定した候補者を党本部で推薦するか否かということについて、判断基準を明確化していただくことも課題の一つなのかなと思っております」
そして、県連会長としての責任については「県議会議員選挙でも、日本維新の会の躍進に至ったということの責任は県連会長を務める者として痛感をしております」と語った。
放送法の政治的公平性をめぐる問題も含めて、高市氏に吹く“向かい風”はしばらくおさまりそうもない。
(AERA dot.編集部・上田耕司)