ところがこれもちゃんと考えられておりまして、彼らのバカンスはダラダラのんびり過ごせりゃいいのであって、昼は近所の銭湯でペチャクチャおしゃべり、夕方になると路地に床几を出して囲碁将棋、あるいは屋根の上で夕涼みなどして過ごしたらしい。暖房費も衣料費もかからない夏の1カ月の生活くらい「ちょろいもん」だったんだそうです。
いやもう完敗。暑い→働きたくないって誰もが思うことですが、どうやったら実現できるのかまで現実に落とし込んで考える人なんて現代では皆無かと。そして、金があろうがなかろうが楽しんだもん勝ちという超したたかさ。もしや暑さすら「堂々と働かない」ための口実なんじゃ……? いや人生は自由だねえ。自分を縛るのは自分だね。
※AERA 2018年9月3日号
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