羽生結弦(23)フィギュアスケーター/平昌冬季五輪で2連覇を成し遂げたあと、日本外国特派員協会での会見で、「マックも行きますし、炭酸ジュースって言えばいいんですかね、ガス入りのジュースもすごく好きだし、それと一緒にポテトチップスを食べることもよくあります」と発言 (c)朝日新聞社
羽生結弦(23)フィギュアスケーター/平昌冬季五輪で2連覇を成し遂げたあと、日本外国特派員協会での会見で、「マックも行きますし、炭酸ジュースって言えばいいんですかね、ガス入りのジュースもすごく好きだし、それと一緒にポテトチップスを食べることもよくあります」と発言 (c)朝日新聞社
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 五輪選手や棋士たちの間食が話題になる。でも、間食は取り過ぎると太る原因にも……。健康的で結果を残せる間食とは一体何なのだろうか?

【写真特集】羽生、藤井、松坂…アスリート、棋士たちの「間食」をご紹介!

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 平昌五輪で2連覇を成し遂げた羽生結弦選手の「炭酸飲料とポテチをよく食べる」発言が話題になったり、体操の内村航平選手の「ブラックサンダー好き」が有名になったり……。意外とジャンクな間食を取っていても結果は残せるのだろうか?

 半信半疑で慶應義塾大学医学部教授の井上浩義さん(56)に取材に行くと、断言してくれた。

「パフォーマンスを上げる意味でも間食は取ったほうがいい」

 井上さんはアーモンドの作用に着目し、11年前から研究を行っている。注目するのはその抗糖化作用。血液内の糖と、体の細胞や組織をつくるタンパク質が結び付き体温で熱せられると、強い毒性を持つ糖ができる。これを糖化といい、老化を進め、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を引き起こす。約6千の食品サンプルを調べると、抗糖化作用の強さでアーモンドが上位100位内に入った。

「その中から手軽に食べられたのがアーモンドです」

 井上さんが行った研究では、平均42歳の被験者29人に1日25粒のアーモンドを食べてもらうと、6カ月後には糖化によってできる物質AGEs(終末糖化産物)が16%低下した。

 だが、食べ過ぎて太らないのだろうか。男女平均26歳の19人に、間食として毎日25粒のアーモンドを食べてもらった実験では、むしろ6カ月で平均2.9キロ体重が減少していた。

 また25歳以上50歳未満の便秘の女性を対象にした実験では、アーモンド入り高カカオチョコレートを1日8粒摂取した群36人と、非摂取群35人を比較。8週間の実験で、摂取群に体重増加は見られず、排便回数が増加した。便秘解消にも効果があるようだ。

血糖値を上げない

 食の“プロ”も間食を推進する。『太らない間食 最新の栄養学がすすめる「3食+おやつ」習慣』の著者で管理栄養士の足立香代子さんは、間食の集中力アップ効果とストレス解消効果を挙げる。

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