「空腹時に集中力が途切れ、仕事や勉強の効率が下がった経験は誰にでもあるでしょう。空腹時には脳や体がエネルギー不足になるのが原因です」
空腹はそれ自体が心身ともにストレスになる。ストレスを感じると、副腎皮質ホルモンなどストレスに対抗するホルモンが分泌され、ビタミンCやカルシウムなどの体に必要な栄養素が消費されてしまう。
足立さん自身が冷蔵庫に常備している間食は、小分けのヨーグルト、キウイフルーツなど。果物はかつて「血糖値を上げやすいからNG」と見る向きもあったが、最新の栄養学ではその論は否定されているという。
「果物には果糖、ブドウ糖、ショ糖が含まれていて、このうち果糖が最も血糖値を上げません。食物繊維が豊富だとより血糖値を上げない。キウイフルーツやリンゴ、ベリー類は果糖が多く、食物繊維も豊富です」
足立さんによれば、「体重管理に影響を与えない1日の間食は200キロカロリー以内」。キウイフルーツは1個50キロカロリーほどなので、ヨーグルトを加えても200キロカロリーに収まる。ところで、血糖値上昇はなぜ悪いのか?
「食後に血糖値が急上昇すると、血糖値を下げようと膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖値が急降下する。これを血糖値スパイクといい、食後の眠気や頭痛、集中力低下を招く。放置すると、糖尿病、動脈硬化、がん、認知症などのリスクが増すのです」(足立さん)
(ライター・羽根田真智)
※AERA 2018年8月27日号