「夫とは部署は違いますが。でも、いま社内でなにがトレンドか、どこに商機があるのかを共有します。夫を伸ばすことは妻の役目だと考えていますから」
その話しぶりは、まるでタレントのマネージャーが、「自分がタレントを育てている」と胸を張る様子を髣髴(ほうふつ)とさせる。
総合職や一般職、現職や元職といった立場など気にせず、男を操るしたたかな女性──それが現代の「商社の女」なのかもしれない。そんな女に見初められた「商社の男」は、仕事も家庭も安泰だ。さぞ幸せだろう。いまや女が男を選ぶ時代だ。(文中カタカナ名は仮名)(ライター・秋山謙一郎)
※AERA 2018年7月23 日号より抜粋