自分からお茶くみ?“東大卒一般職女子”のしたたかな生き方とは(※写真はイメージ)
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 東大卒ながら商社の総合職に就職もできるが、あえて一般職を選んだ女性がいる。その目的とは、定時に上がれる環境のもとで「仕事がデキる女」を目指すこと。ホノカさん(28)にその内情を聞いた。

 高学歴で、そもそも優秀な頭脳を持つホノカさんだ。アシスタント的な役割の一般職という職制ではモノ足りないのではないか。

「女性なら、総合職よりも一般職のほうが自由が利きます」

 ホノカさんは、その理由を詳しく語る。

「男女を問わず総合職がなにかプロジェクトを立ち上げて失敗したら責任を問われます。でも一般職の自分が総合職を通して立ち上げた案件なら、社内の皆さんが応援してくださいます」

 成功したら表向きは総合職の手柄だが、その内幕はいつしか伝わるものである。自分の手柄ということを皆、言わずとも知っている。失敗したら責任は総合職──。そんな「人を転がす」術も持っている。

 だが、そんなしたたかさを決してオクビにも出さない。

 女性社員たちにいやがられる「お茶くみ」もいとわない。

 いまでは給湯室でお茶をくむ機会はめっきり少なくなり、サーバーが置かれる時代だが、それでも積極的に「お茶入れ」。これが上司や後輩からも好評だという。その際、「男性から見て美しい所作」を心掛けている。

「入社前、短い期間ですが茶道も習いました。男の人から見れば、女性が美しい所作でお茶を出してくれたら、それはきっとうれしいと思います。自分がされてうれしいことをしているだけですよ」

 そんなホノカさんだ。職場では「頼れる存在」として年齢、男女の別を問わず慕われているというのもうなずける。

「そのなかでも夫は私を頼ろうとしなかった。そこに伸びしろを感じました。育てがいがある──その基準で選びました」

 ホノカさんは、9時5時の間は仕事に全力を注ぐ。そして定時であがると家庭の時間。仕事から帰ってきた夫のために料理に腕を振るう。食卓での話題は、おもに「仕事」だ。

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