はあちゅう/1986年生まれ。ブロガー・作家。慶應義塾大学卒。電通、トレンダーズを経てフリーに。著書に『「自分」を仕事にする生き方』など (c)朝日新聞社
はあちゅう/1986年生まれ。ブロガー・作家。慶應義塾大学卒。電通、トレンダーズを経てフリーに。著書に『「自分」を仕事にする生き方』など (c)朝日新聞社
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 電通、トレンダーズを経てフリーに転身したブロガーで作家のはあちゅうさん。なぜ大手企業を辞めてまでフリーの道を選んだのか? その答えを、次のように語る。

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 大企業、ベンチャー企業で6年弱会社員をやり、その後フリーランスになりました。時代の変化が速く、誰かのやり方をまねして成功することがなくなってきているので、自分自身の働き方を作らなければと思っていました。

 変化が速いからこそ、オリジナルや本質をつかんでいないと厳しい。そして本質的なものを持っている人に仲間が集まる時代です。夢や野心を持っているだけでヒーローになれる。一方で、夢に向かう過程を応援してもらうことで承認欲求が満たされてしまい、大きな挑戦に至らない場合もあり、難しいですね。

 私は影響力は仮想通貨だと思っています。リアルの世界では大企業の名刺がプラスになりますが、個人の信用の値にはSNSの影響力が大きく作用しています。個人で影響力と発信力を持たないと、その人自身の信用の値は低くなり、ダイレクトに収入や社会的な信用に響いてしまう。

 ある方が、フェイスブックで信頼性の低い記事をシェアする人のフォローは外すと話していました。また、ツイッターではフォロワー引くフォローの引き算が信頼値とも言えます。フォロワー数の捏造を見抜く力が必要。シェアやフォローにもシビアな選択が必要になっていますが、そういうことに気づけるかどうかは大きいと思います。

 フリーランスで生きるということは「自分」を仕事にするということ。でもそれって特別なことじゃないんです。軸がひとつだけの人生が逆に高リスクになっている中、働き方自体がその方向にシフトしていると思います。(構成/編集部・小柳暁子)

AERA 2018年7月2日号