![福田正博(ふくだ・まさひろ)/サッカー解説者。1989年、三菱(現・浦和レッズ)に入団。2002年の引退までレッズ一筋で、主にFWとして活躍した。Jリーグ通算93ゴール。日本代表としても45試合に出場(写真:本人提供)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/a/a/620mw/img_aa63f2452f69e7482ec39ab86127f10745523.jpg)
サッカー日本代表メンバーが西野朗監督によって発表された。賛否両論あるようだが、専門家はこれをどう見ているのか。サッカー解説者の福田正博さんに話を聞いた。
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コンディションが決してよくないであろう香川・岡崎らが選ばれた。西野監督はチームに変化を求めるよりも、実績と経験があり計算の立つ選手を入れたかったのだと思います。長い間チームを見てきた監督なら、サプライズで勢いをもたらすことを考えたかもしれません。しかし、西野監督の就任からメンバー決定まで50日あまりしかありませんでした。チームの安定感を第一に求めた結果でしょう。
その分、ジョーカーとなり得る選手は選ばれていません。圧倒的に足が速い選手やサイド攻撃に対応する高さのある選手など、個人でゲームを動かせるカードがないのが気になります。
そんな中で、日本のキープレーヤーは長谷部です。西野監督はガーナ戦について、「得点できなかったのが悔しい」と話していましたが、先に失点しては格下のチームは勝てません。守備のオーガナイズ、攻撃時のリスク管理をいかに長谷部が担えるか。そこがポイントなのです。
本大会で1次リーグを突破するには、初戦がすべて。引き分け以上が絶対条件です。
初戦でコロンビアに負ければ、日本は2戦目のセネガル戦を勝ちにいくしかありません。格下の日本が、“勝ちにいく”戦いをするのは厳しい。逆に、初戦で日本がコロンビアと引き分け、セネガルがポーランドに敗れたと仮定すれば、2戦目でセネガルは前に出ることを強いられます。勝ちを狙う相手に粘り強く戦って、焦りを誘い、少ないチャンスをものにする。そこが日本の勝機です。2戦目を勝つために初戦を引き分ける。それができれば、3戦目で比較的くみしやすいポーランドと引き分けることも可能だと思います。
(構成/編集部・川口穣)
※AERA 2018年6月11日号
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