肩こりをとる(AERA 2018年5月21日号より)
肩こりをとる(AERA 2018年5月21日号より)
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腰痛をなくす(AERA 2018年5月21日号より)
腰痛をなくす(AERA 2018年5月21日号より)
歩き方を補正する(AERA 2018年5月21日号より)
歩き方を補正する(AERA 2018年5月21日号より)

 体調不良や引き締まらない体は、12カ所の「関節」の働きと、それを支える筋力の低下が根本原因。だから関節を守る筋肉だけを効果的に鍛えよう、というのが関節トレーニング、略して「関トレ」だ。「関トレ」を考案したのは、理学療法士の笹川大瑛さん。スポーツ医療に定評のある病院でリハビリを担当してきた。

【図解】<腰痛をなくす><歩き方を補正する>関トレはこちら

*  *  *

 今回は、そんな「関トレ」の中から、効果を実感した人が多いという、(1)肩こりをとる、(2)腰痛をなくす、(3)歩き方を補正するための三つの運動を紹介しよう。一つの関節を動かす二つの筋肉をセットで鍛えるため、運動は6種類ある。

(1)肩こりをとる
 背中の上部にある肩甲骨と、肋骨をつなぐ関節「肩甲胸郭関節」を安定させる運動。座ったままでもできるので、仕事の合間に試しても。
〈STEP 1〉
 手のひらを外回しに天井へ向けて伸ばす。そのまま、ひじを背中の中心へ下ろせるところまで下ろす。10秒キープ。両手3〜5セット行う。
〈STEP 2〉
 脇の角度が45度になるように腕を伸ばす。親指を下にして手の甲をつけ、そのまま全力でさらに伸ばす。10秒キープを3〜5セット。

(2)腰痛をなくす
 腰椎と股関節を安定させる運動。腰の関節が安定すると、骨盤のゆがみが解消され、太ももの引き締めや、ヒップアップ効果も。
〈STEP 1〉
 足で正方形を作るように、足の裏をあわせて座る。背筋を伸ばしたまま、股関節を意識しながら、全力で10秒前傾。3〜5セット。
〈STEP 2〉
 片足を伸ばしたまま、股関節から内側にひねって斜め後ろへ。そのまま、骨盤から上に引き上げ、10秒キープ。3〜5セットを両足行う。

(3)歩き方を補正する
 体重を支える足関節は、痛みや疲れが出やすい部分。土踏まずのアーチをバランスよくキープするための運動を続ければ、靴ずれも軽減できる。
〈STEP 1〉
 イスに座り、右足を左膝の上に置く。右足首を膝からつま先まで一直線にしたまま、上に押し返すように力を入れる。反対も同様に。
〈STEP 2〉
 立った状態で、右膝を軽く曲げて足裏を床から少し離し、右足首を下へ伸ばす。右足首を小指側に動かして10秒キープ。両足行う。

 デスクワークを続けているとどんどんつらくなる肩こりや首こりも、根本原因は血行不良ではなく筋力の低下。肩こりは、肩甲骨の関節を守る二つの筋肉、菱形筋と前鋸筋を鍛えることで解消できる。首こりも同じく、肩甲骨周辺の筋力アップで改善できるらしい。

「首こりがひどいのは、枕のせいではありません。ただ筋力が低下して、自分の首が硬くなっているだけ。肩甲骨の関トレで調整してください」

 笹川さんが「現代人で、弱っていない人はいない」と言うのが、腰の安定に強く関係している腸腰筋と多裂筋だ。腸腰筋は、腰から骨盤、太ももをつなぐ大きな筋肉のこと。腰を曲げたり、股関節を動かしたり、ももを上げたりする時に使う。一方、背骨まわりにあるのが多裂筋。この多裂筋が弱くなると、腸腰筋が頑張りすぎて腰痛につながる。だからこそ、この二つの筋肉をバランスよく整える必要があるという。

 足首を安定させる「関トレ」で歩き方を補正すると、なんと靴ずれまで予防できるそうだ。このトレーニングでは、足の土踏まずのアーチを上げる時に使う筋肉と、下げる時に使う筋肉を同時に鍛える。軽い外反母趾やタコができやすい歩き方も改善されるという。

 すべての「関トレ」は、必ず正しいフォームで実践することが大切だ。さらに、最大限の力を出してやりきること。通常の筋トレと違い、負荷が弱い関トレは、狙ったところをしっかり動かすように意識することがポイントだ。まずは週に1度でも続けることを目標に、トライしてみては?(ライター・まつざきみわこ)

AERA 2018年5月21日号より抜粋

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