ヤンキースでも6年連続2ケタ勝利と活躍したが、帰国後の21年は4勝9敗、22年は9勝12敗(最多敗戦)。今年35歳とまだ老け込む年ではない。楽天の歴史を築いてきた田中も黒田氏のように「日米通算200勝」「リーグ優勝」と、両手に花といきたいところだ。 

 日米通算221セーブの平野佳寿(オリックス)。入会規定に到達すれば、佐々木主浩氏(日米通算381セーブ)、高津臣吾監督(ヤクルト/日米通算313セーブ)、岩瀬仁紀氏(407セーブ)以来、史上4人目の快挙となる。

「日米通算250セーブで名球会入り」の新規定が作られた03年12月時点で、佐々木氏と高津監督は規定をクリアしていた。当時、「200勝と比較して、250セーブでは少ない」と言われたが、岩瀬氏が10年に達成して以来、実に12年も達成者はいない。土壇場での登板はメンタル面での負担が大きいようだ。

 現に藤川氏(日米通算245セーブ)、サファテ氏(234セーブ)、小林雅英氏(日米通算234セーブ)と、達成目前でことごとく涙をのんでいる。平野はオリックスで21年に29セーブ、22年に28セーブを挙げ、オリックスの2年連続リーグ優勝に貢献した。しかし、昨年はチーム内に阿部翔太やワゲスパックら新ストッパー候補が出現した。藤川氏が245セーブと164ホールドで「名球会に特例入会」なら、平野も221セーブと198ホールドで「特例入会」の権利があるかもしれない。

 投手だけでなく、打者として名球会入り(通算2000安打)の可能性がある選手も紹介する。中日の大島洋平(1885安打)が2000安打を達成すれば、「大学から社会人経由」では古田敦也氏(2097安打)、宮本慎也氏(2133安打)、和田一浩氏(2050安打)に次いで史上4人目になる。「大学から社会人経由」の選手は、高校出選手と比較してプロでの出場が遅れる。しかし1シーズンが130試合制から現在は143試合制になったことで、投手は分業制が促進され、勝利数が減ったが、打者は単純に安打数が増える結果となった。本塁打が少ない(34本)大島氏だが、試合に起用される確かな理由がある。古田氏がゴールデングラブ賞10度、宮本氏が10度、大島が9度。守備で1つの安打を防ぐことは、1つの安打を放ったのと同等の価値があるだろう。しかも大島は通算260盗塁(盗塁王1度)。チームへの貢献度が高い選手なのだ。(新條雅紀)

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