オガールは施設完成前に、テナントを100%入れることに我々がコミットしました。そのうえで東北銀行が融資をしています。これが達成できなかったら銀行はおそらく融資はしていない。

 ところが、「かぼちゃの馬車」の場合、実態を過大評価したうえに、融資後の稼働率が5割を切るというような物件が次々と表面化している。スルガ銀行は、審査体制や不正認識の有無などが問われているのに、逃げ回っているわけですよ。

 ワタクシもこう見えて投資銀行家のはしくれですから、銀行の求める要件は熟知しています。それを踏まえて銀行と交渉するわけです。

 自力で生き残れない地銀は、潰れろというのは正しい。一方で、結局、融資なんかせずに国債と縁故地方債だけ持っていれば……という地銀がたくさんあり、県や市は引き受け先がないと困るので、彼らが本当の「銀行」になってしまっては困るという本音もあるのです。

 地銀はあくまでも地方自治体の財布であってほしい。だから本気であちこちでビジネスをしないでくれ、という妙なねじれを解消する以外に現状を変える方法はありません。

AERA 2018年4月30日-5月7日合併号

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