ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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(c)朝日新聞社
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 地方銀行にまつわる闇は実に深い。マイナス金利の中、今までのように国債さえ買っておけばよい、という状況は崩れ去り、さりとて地方にはまともに投資できる案件などはそうないのです。そこで無理な融資が横行してしまうわけなのです。

 4月18日付の日本経済新聞の電子版によると、「女性専用シェアハウス『かぼちゃの馬車』への投資トラブルの影響が広がってきた。すでに止まっている所有者への賃料の支払いは、運営会社の破綻で難しい情勢。一方、大半の所有者に土地・建物代金を融資したスルガ銀行は、運営会社の破綻の有無にかかわらず『融資契約は有効』との見解を崩していない。投資家救済のハードルは依然として高い」。

 金融庁は一貫して「個々の地銀が創意工夫して、既存のビジネスモデルではない、新たなビジネスモデルを作り上げることが重要だ」と力説してきました。

 まあ、そのこと自体はすごく正しいんですよ。複数の地銀の幹部に確認しましたが、金融庁はスルガ銀行の取り組みを奨励していたようです(その後、融資の過程の書類改竄が分かったことなどから、スルガ銀行へ立ち入り検査に乗り出しますが)。

 実は我々が手がける岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」に融資をした東北銀行も、金融庁の「推奨」ビジネスモデルとして取り上げられています。ぎりぎりの採算を合わせて建築費まで節約したオガールと、「かぼちゃの馬車」のようないい加減なビジネスモデルを一緒くたにするなと言いたい。

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