平昌五輪では惜しくも5位入賞となったスノーボード女子アルペン・竹内智香選手が「AERA」で連載する「黄金色へのシュプール」をお届けします。長野五輪を観て感動し、本格的に競技をスタートした竹内選手の日々の様子や思いをお伝えします。
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みなさん、2月25日の夜の閉会式を最後に、平昌五輪が閉幕しましたね。フィギュアスケート男子の羽生結弦選手と宇野昌磨選手のワンツーフィニッシュなど、今大会も日本中が選手たちの活躍に盛り上がった大会だったと思います。
実は、今回の連載を記している時点で、私はまだ自分の競技を終えていません。2月22日にスノーボード女子パラレル大回転の予選、そして2日後の24日が決勝の予定ですが、果たして私はどんな結果になっているのでしょうか。これを目にしている読者の皆さんは、当然私の結末をご存じのはずです。いま記している私は、まさにその競技に向けた最終準備を行っている最中ですが、内心は本当に落ち着くことができています。
先日、私は自分のブログをアップしました。そこで今回のレースを「待ちに待った追試テスト」と表現しました。これは、実は4年前のソチ五輪の直前にアップしたブログに引っかけているのです。ソチの時に、本番のレースを「待ちに待ったテスト」と表現しました。スイスでの数年間で自立心や選手以前に人間として生きる力の大切さを学び、さらには今でもコーチを務めるフェリックスとの出会いや彼の指導によって、五輪で勝つことに本当の意味で貪欲になれた私がいました。だから、そんな自分が本番でどんな答えを出せるか、まさにテストを受けるような気持ちでスタートスポットに立てたことを覚えています。