老後マネーについて詳細な数値を明かしてくれた西原憲一さん。UFPF代表、ファイナンシャルプランナー(CFP)、税理士。個人のマネープラン作成や法人の税務コンサルティングに従事
老後マネーについて詳細な数値を明かしてくれた西原憲一さん。UFPF代表、ファイナンシャルプランナー(CFP)、税理士。個人のマネープラン作成や法人の税務コンサルティングに従事
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総務省統計局「家計調査2016年高齢夫婦無職世帯の家計収支」より。高齢無職世帯とは、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみで、2人とも定職についていない世帯を指す
総務省統計局「家計調査2016年高齢夫婦無職世帯の家計収支」より。高齢無職世帯とは、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみで、2人とも定職についていない世帯を指す

「定年退職時点で最低3000~4000万円は必要」とよくいわれる。確かにその通りだろうが、いきなり数千万円単位の金額を見ても“ああ、そうですか……”と気分が暗くなるばかりで実感はわかない。今回は、アエラ増刊『つみたてNISAとiDeco入門』から、「本当に必要な最低限の老後資金はいくらなのか」、そして「具体的に毎月いくら足りないのか」について調査した記事を紹介する。

【老後マネー「毎月不足金額」の詳細はこちら】

■収入は21万2835円、支出は26万7845円

「総務省統計局が毎年公表している『家計調査』によると、夫が65歳以上、が60歳以上の夫婦無職世帯の16年の平均的な実収入(月額)は、年金収入が19万3051円、その他収入を加えても21万2835円しかありません。

 対する支出は税金や社会保険料などの非消費支出が2万9855円、消費支出の中では食費が6万4827円と約4分の1を占め、総額では26万7546円に達しています。

 つまり、平均的な高齢夫婦無職世帯では毎月5万4711円の支出超過になっており、その分はそれまでの貯蓄を取り崩して生活している、ということ。15年には支出超過が6万2326円だったのに比べると、1年で7600円以上減りました。

 しかし、それは高齢無職世帯が住居費や交際費などを切り詰め、節約に節約を重ねて消費支出を抑えたことによるもの。それでも月々5万4000円以上の持ち出しが長期間続くのが現状なのです」(ファイナンシャルプランナーの西原憲一さん)

■無職生活が35年続く

 たとえば60歳で定年退職した後、65歳の年金支給開始まで再雇用で収入を得ることができたとしても、その後100歳まで生きれば、老後の無職生活は35年も続く計算になる。

毎月5万円超の支出超過をなんとかやりくりするためには、単純な掛け算でも、「月5万円×12カ月×35年」で2100万円の資金が必要になる。

 ところで、ここまで書いてきた数字はあくまで全国平均のデータをもとにしたもの。国民年金にしか加入していない自営業者がもらえる年金は、満額で1カ月当たり6万4941円(17年4月~18年3月)になる。

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