新井照生さん(54)は、羽生結弦選手のジュニア時代のホームリンク「アイスリンク仙台」で管理人を務めていた。あれほど涙を流す姿は見たことがないと話す。
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これほど涙を流して喜ぶ羽生結弦選手の姿は見たことがありません。平昌五輪で金メダルが決まった瞬間は、笑顔というより涙でした。さまざまな苦しみを乗り越えて優勝したことはこれまでもあったけど、涙はあまり見せなかった。
それだけに、今回は私もジーンときました。ソチ五輪の表彰台で見せた、くしゃくしゃとした笑顔が、私が小学生のころから知る彼そのものだったんですが、今回は、それを上回る素顔がたくさん見られたのがうれしい。
けがで競技から遠ざかっていたので、ソチ五輪の時よりも心配しながらテレビ中継を見ました。そこは負けず嫌いの羽生選手。すごい演技だった。本番に強い選手だと改めて思いました。
羽生選手と初めて会ったのは2007年3月、アイスリンク仙台の管理人になった時でした。地元のスケートクラブの一員でしたが、すでに強化選手に指定されていた。滑りを見た時は、小学生の男の子なのに、なんてきれいに滑るんだと驚きました。3回転も普通に跳んでいたと記憶しています。