年始特番もあった「徳川埋蔵金」探し。どうせ見つからないんでしょと思いつつ、ロマンもあって、つい観てしまう。だが待て。徳川埋蔵「菌」ならどうだ。記者が取材に行くとなんと……。
今回編集部から与えられたミッションは「徳川埋蔵キンを探せ!」。探せ!って言われてもあなた。そんな簡単に見つかるもの?と文句を言いかけ、気がついた。なんだ、埋蔵「金」じゃなくて「菌」じゃないの。あー、よかった……いや、よくない。大体あるのか、そんなもん。
「だから探してみてください」
聞けば、アエラのダジャレ1行コピーを手がけているデスクが、「埋蔵菌」というダジャレを使いたい一心で、ひねり出した企画らしい。えー。
気を取り直して、まずはネットで「徳川埋蔵菌」と検索してみる。と、「もしかして徳川埋蔵金?」と、いちいち訂正される始末。せっかくなので少しだけ、本物の「徳川埋蔵金」について紹介しておこう。
江戸城開城の際に金目の物が一切見つからなかったことから、多くのトレジャーハンターたちが発見を夢見ている徳川家のお宝のことを言う。驚くのは、まさに国家予算級のその規模。今のお金にすると、数百兆円相当との説もあるらしい。ひー、探しに行きたい。でも、これじゃない。
そうしてかつてない難航が予測された今回のミッション「埋蔵菌探し」。ところが意外なほどあっさりと救世主は現れた。『たべもの戦国史』『戦国の食術』など戦国武将の食生活についての著書も多い食文化史研究家の永山久夫さん(85)だ。
「金じゃなくて、菌でいいんですよね? ハハハハ。それなら、あります、あります」
それも、数だけ言えば埋蔵金と同じ数百兆個規模! して、それはどちらに?
「家康公のおなかのなかですよ」
徳川家康は身長158センチ。
「おなかがつかえて、馬に飛び乗れなかった」とのエピソードもあるように、ずんぐりむっくりの体形で知られている。ちなみにこれまでドラマや映画で家康を演じてきた俳優も、古くは森繁久彌から西田敏行まで“タヌキ形”が圧倒的に多い。