20代権禰宜:人の心が神社から離れていると特に感じるのは、賽銭(さいせん)泥棒です。先日、親御さんが中学生のお子さんを連れて神社まで謝りに来られた。しかし、親御さんもお子さんに、賽銭泥棒がなぜ悪いかを説明できなかった。参拝者が願いを込めて神さまに捧げたお金に手をつけることの重さを親が諭せないとしたら、悲しいことです。神職にも責任の一端はあると思っています。発信が足りないのかな、と。

 40代宮司:僕は時には新しいものを受け入れることも必要なのでは、と考えていますよ。

 一昨年からパクチー神事を始めました。かつて、神さまへのお供えものは、その土地で取れた大切な作物だったはず。近くに素晴らしいパクチー農園があり、パクチーを神さまに奉納していただき、そのパクチーを使った料理を地元の人気飲食店に屋台で出していただきました。パクチー音頭をつくり、振付師と作曲家に奉納してもらいました。話題になりましたが、1年目はお参りする人が少ないという反省があった。昨年は玉串に見立てたパクチーを来宮者にお渡しし、奉納する場所を作りました。

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