質問に「やるべきことの優先順位がつけられない」とありましたが、皆さん優秀だから、やるべきことはやっているはずです。やるべきことの精度に対して毎回98点は求めすぎかも。仕事をこなせてなかったら、今日このイベント会場に19時に来られてません。前の日までに仕事を調整してきたでしょ。それができれば大丈夫ですよ。

 今やりたいこと、やるべきことよりも、得意なことをリスト化して欲しいんですよ。TO DOリストばっかりではないですか? やるべきことばかり作ってませんか? じゃなくて、得意なことをやりたい。

●注意点

◇ライフログのために生きない
◇過去の成功例を手本にし過ぎない
◇やらなきゃいけないことリストより、やりたいこと、得意なことリストを作る
◇「非効率」を憎まない
◇「損」と「無駄」を敵視しない

 注意点も紹介します。「ライフログのために生きない」とは、主にSNSです。ライフログは楽しいと思うんです。自分の記録を見返すという意味では大賛成。今月は何をしたかというのを、私は手帳に書いてます。ただ、ライフログのために生きるとやっぱり本末転倒なんですよね。主客が逆転しないようにバランスだけは気を付ける。「誰の人生でもない、私のだ!」という。自分の人生の舵を絶対に手放さないという覚悟で中年は生きていかないと、ものわかりがよくなって、人のフォローばかりをすることにもなる。

 そして、「過去の成功例をお手本にし過ぎない」。これは何度も言います。特に団塊ジュニアですよね。親世代がそこそこうまくいったから、母から「なんでこれができないの?」といまだに言われている人がいて。時代が違う。過去の成功例をあてにしすぎないこと。

 そして「『非効率』を憎まない」。あなたはピットインで働くホンダのクルーではないんです。早い時間でここまでやったとかタイムを測るとかだけが意義ではない。非効率の中にこそコミュニケーションがあると思ってます。

 「『損』と『無駄』を敵視しない」のも大事です。『損』と『無駄』がない人生のほうが賢く見えるんですよ。みなさん賢く見られたいと思うんです。私もです。でも、賢く見えることを追求し過ぎると、「孤独」に近づいていくんですよね。賢い人たちばかりってことは、なかなかないじゃないですか。いろんな人がいるなかで、無駄を敵視して非効率を憎んでいると、コミュニケーションがどんどんなくなっていくんではないかと。

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