●「解決方法のご提案」
◇人的セーフティネットを自分で作る
◇健康寿命を延ばす
◇「まあ、いっか」の精神
◇新しいものを毛嫌いしない
◇キラキラしようとしない
◇なにごとも臨機応変
私がやっていることってだけで、これは唯一の正解じゃないから。「解決方法のご提案」って、なんだか保険の売り込みみたいでしょ。
佐々木俊尚さんのご著書にありましたが、「人的セーフティネットを自分で作る」というのが大切だと思います。結婚したから、子どもがいるからとか関係ない。夫が先に死ぬ可能性もあるし、子供が独立して海外に住んだらどうするんですか。女友達、男友達とか、いとこ……。人的ネットワークは、いくらお金があってもつくれない。私は、女友達というのは唯一元本割れしない資産だと思ってます。
次が「健康寿命を延ばす」です。最近、私は筋トレを始めました。筋力が落ちたんですよ。でも、トレーナーの先生に聞きましたところ、頑張っているのは40代後半から50代の女性だそうです。「バックシャンのため」とか、「ウエストを細く見せるため」とかじゃなくて、「生きるために!」。あと1回の追い込みができるのは、わたし達世代らしいですよ。さすが氷河期!
あと、「まいっか」の精神ですね。私の従姉の好きな言葉で、最初聞いたときは驚きました。人に対する期待を下げていき、「まいっか」と思うことで大分楽になったと聞いて納得したんですが、それを大事にしてます。
「まいっか」は、サラリーマンのときにもっとちゃんとやっておけばよかったと思います。仕事の精度をあげようとして、自分の思い通りに頑張らない他者を許せなくなって「誰も協力してくれない!」ドカーンっていうのが結構あった。距離をおいて仕事をみると、ほどほどでいいという人たちが会社の中にはいるんですよ。頑張っても給料は一緒。昇進しても責任が重くなるだけで給与は大して変わらない。机からコップが落ちそうになっても、手を出さない人はいるんです。手出し手当はつかないから。仕事はあくまで共同作業なので、上手くいかなかったときに「どいつが悪いんだ!」とみんなの前で犯人捜しをしても始まらなかったんですよね。それがわかってなかった。サラリーマン時代の仕事は、もっとふわっとさせておけばよかったと思います。
そして、「新しいものを毛嫌いしない」。みなさん、「オッケー、グーグル」って言える? 一杯ひっかけなきゃ言えなくない? 私、飲めないんですけどね。でもテクノロジーとコミュニケーションがどんどんセットになってきてるので、新しいものは毛嫌いしないほうがいいとは思います。
最後に、「キラキラしようよしない」。キラキラしようとすると、摩擦熱が私たちを襲います。キラキラしていること、イコール幸せではない。中年は夕方には顔がくすんで疲れが見えます。それでいいんです。夕方には目がかすんで顔がくすむのが、『new 20』だということで、臨機応変にやっていきましょうよ。
(2017年11月28日開催のAERAイベント「ワーキングウーマンのための“新ライフマネジメント論”」より)
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