「ずっと走ってきたんで。ちょっと振り返ってもいい年になったのかな」
約2年ぶりとなる53枚目のシングル「軌跡」が12月3日に発売される。
このテーマを授けたのは、所属するジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長。「芸能とレースの二足のわらじで刻んだ深い轍を表現してみろ」と背中を押された。事務所の「長男」としても、レーシングチームのオーナー兼監督としても、確かな地歩を固めたことへのねぎらいとも受け取れる。
1970年代に脚光を浴びた「ベイ・シティ・ローラーズ」のテイストが濃厚な新曲は、再評価の機運をいち早くつかんだ自身のリクエストで実現。作詞を手掛ける松井五郎がレコーディングに立ち会い、等身大の近藤に合う歌詞に練り直したという肝いりの一曲だ。
柔和な笑顔。周囲を威圧することなく貫かれたこだわり。まっすぐ歩いてきた自信が、近藤の貫禄につながっているのだろうか。年輪を刻むのが楽しみなスターだ。(編集部・渡辺豪)
※AERA 2017年12月4日号