「悪いね。この件は、マナフォートがトランプ陣営に入る何年も前のことだ。しかし、なぜ根性がひねくれたヒラリーと民主党が焦点にならないんだ?????」

 その3分後に再度ツイート。

「…それに、何の共謀もない!」

 5日の訪日から始まったアジア歴訪も波乱含み。トランプ政権の発足以来、とにかく何が飛び出すのかわからない状況が日々、続いている。アジア絡みでは、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を大統領就任後早々に発表。さらに最近では、世界中の関心となっている北朝鮮の核武装放棄を促す「武器」でもあった、イランとの核合意を破棄する考えを示した。従来のグローバルな融和と協力関係を一瞬にして覆してしまうトランプ大統領は出方がわからない。

 日本は幸いにして、中曽根康弘元首相・レーガン元大統領、そして小泉純一郎元首相・ブッシュ元大統領以来となる良好な首脳間の関係を安倍晋三首相がトランプ氏と築きつつある。日本にとっては、好条件であることは確かだが、しかし、トランプ氏がいつどのように「豹変(ひょうへん)」するか不透明なのは、過去の「ロン・ヤス」「小泉・ブッシュ」関係と全く異なる点だ。

 トランプ氏は、12日、東アジアサミット(EAS)が開催されるフィリピンに足を運ぶものの、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の後、EASは「欠席(スキップ)」する。オバマ前大統領は、13年を除いては、11年以来毎年参加していた。

 北朝鮮の核・ミサイル問題で緊張が高まる中、今回のアジア歴訪でトランプ氏の「安倍好き」が際立つだろう。意趣返しで北朝鮮が挑発に再び出てくるのか。「安倍・トランプ」関係がかえって、東アジアがトランプ氏に疑心暗鬼になるリスクを増幅させることになる可能性も大きい。(ジャーナリスト・津山恵子)

AERA 2017年11月13日号

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